From:小山 温
最近、昔のクライアントさんからの紹介で新しい仕事の相談があって、ふと思い出したことがあります。
実は、私は過去に広告集客をしてほしいという相談を受けた時、
「広告競合が強い市場だったため、いきなり広告で勝負しないで、SNSから育てた方がお客様のためになるな」
と思い、お断りしたことがあるんです。
多分、その辺の広告会社だったら「やりましょう!」って言っていたと思います。
そうすれば、こちらの売上にはなりますからね。
お断りした案件はその場で見送りになりました。
でもその結果
「小山さんはダメなことはダメって言ってくれるから相談してみたら?」
と信頼してもらい、今ではかなり多くの紹介を頂くようになったんです。
正直な対応が信頼を生む
多くの人は「どう自分のサービスを売るか」ということを考えがちですが、私は最近「売らない」ということの価値をよく考えます。
例えば、
「どう考えても競合に勝てる確率は低い」
と思ったら、無理に希望を持たせることはしません。
その場の売上だけを見て、調子のいいことを言っても、そんな脆い信頼関係はいずれ壊れ、
なにも残らなくなってしまいます。
でも、正直に向き合うことで「その場の売上」はなくなるかもしれませんが、「信頼」が残るんです。
短期で目指すと長期で失う
たとえば今「広告を打って月に100万円売りたい」という想いがあっても、商品力がゼロだったり、
競合に勝てる施策を出せなかったら、現実的ではありません。
「いけますよ!」と言うのは簡単ですが、結果が出なかったらどうなるでしょうか。
相手からガッカリされて終わり、今後のリピートや紹介をもらうこともできません。
だから私は、希望に水を差すようでも、事実は事実として正直に伝えるようにしています。
目の前の売上をとるより、長く付き合えるような信頼をとるんです。
信頼を築くのは時間がかかるが失う時は一瞬
そもそも「売れそうだから売る」ではなくて、「信頼されるから売れる」方が、よほど理想だと思うんです。
経営学の父と呼ばれ、世界中の経営者に多大な影響を与えたピーター・ドラッカーは、こんな言葉を残しています。
「信頼は一朝一夕では築けないが、一瞬で失われる」
特に、SNSが発展して個人の言動がすぐに広がる現代において、「お客様にとって本質的に何がいいのか」こそが信頼を集めていく時代だと思います。。
だから私が仕事を断るときに意識しているのは、短期的な利益じゃなくて、長期的な信頼の方なんです。
そっちの方が結果的に利益も出ますからね。
とはいえ、自分も全然完璧にできてるわけじゃないですし失敗もしてます。
気持ちとしてもっておくことがすごく大事だと考えています。
信頼がマーケティングになる時代
これは机上の空論で言っているのではありません。
実際、私はSNSで集客目的の発信はほとんどしておらず、ゴリゴリ営業しているわけでもありません。
でも、紹介とリピートだけで年間2000万円以上のデザインや広告の仕事をいただいています。
なぜか?
1つ1つの仕事にちゃんと向き合ってきた信頼があるからだと考えています。
売るだけの人はたくさんいるけど、「本当に相手のことを考えている人」は少ないと感じます。
だからこそ、いまの時代、そういう姿勢そのものが“マーケティング”になるんだと思います。
お客様のために「売らない」判断を
ビジネスにおいて、成果を出す力はもちろん大事です。
でも、それ以上に必要なのは「それをやることでお客様にプラスになるか?」と判断できる力。
誰のために、なんのためにやっているのか。
その軸さえブラさなければ、きっと信頼は積み重なっていきます。
そしてその信頼が、次の仕事、次の出会いにつながっていく。
私もこれまで通り「お客様にとってプラスになるかという軸」、「正直に伝える勇気」を持っていたいと思っています。
-小山 温
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